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1.東大病院の物理療法(東洋医学的物理療法の鍼灸治療)の歴史
実際に外来で鍼灸治療が始まったのは昭和50年頃である。その後、平成9年に物療内科が組織編成でアレルギー・リウマチ内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科に分かれたため、鍼灸治療を行っていた物理療法室はリウマチ性疾患が多いのでアレルギー・リウマチ内科の治療室として平成14年3月まで活動を行い、平成14年4月より現在のリハビリテーション部
物理療法部門として常勤スタッフ4名、臨床登録員2名、鍼灸臨床研修生が臨床・研究・教育に携わっている。
大学病院では牽引療法や各種温熱・電気療は保険点数が取れないこともあり、現在当部門では鍼灸治療が主となっており、2005年より鍼灸治療が自由診療として開始されたことも特徴である。
当部門の患者内訳は、全体の4割ほどが、運動器疾患(頚椎症、腰椎症、肩関節周囲炎などのリウマチ性疾患)で、関節リウマチや膠原病といった難治性疾患が2割、その他として神経疾患、糖尿病、循環器疾患等である。当部門の特徴としては、以前所属していたアレルギー・リウマチ内科からの依頼による、関節リウマチ、膠原病、アトピー性皮膚炎などの治療が多く、西洋医学的治療(服薬等)に鍼灸治療を併用することで、鎮痛や機能障害の軽減、痒みやだるさ等の改善といったQOL向上を目指す治療を行っている。
東大病院内における鍼灸の役割は@西洋医学的治療との併用でよりQOLを向上、A薬物の副作用に対する治療、B予防医学的観点からの治療、C体力を向上させ薬の効果を上げるなど、多種多様な疾患・症状に対応することが可能であり、一つの治療選択と認識されつつある。
具体的には腰部脊柱管狭窄症の神経根型に対して、糖尿病性神経障害や爪水虫、後遺症を認める顔面神経麻痺、不妊症、抗がん剤服用による末梢神経障害の予防と対応、関節リウマチの薬物療法との併用によるQOL向上など、専門医との共同研究により成果を挙げている。
癌治療に伴う疼痛や副作用に対する治療、顔面神経麻痺、腰部脊柱管狭窄など
関連医学会等で治療成績・効果機序等を検証している症状が多い傾向。
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